ついに見本ができました

新刊『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、ついに見本ができました。さっき担当のKさんから受け取りましたが、通常の新書よりちょっと厚みがあります。その厚みの分だけ、読みごたえのある本になっていればと思います。書店に並ぶのは、来週17日(火)以降です。アマゾンでの予約も受け付けています。オビの内澤旬子のイラストが目印です。どうぞよろしくお願いします。


一箱古本市の歩きかた (光文社新書)

一箱古本市の歩きかた (光文社新書)


朝8時起き。《ウェルかめ》を観てから、仕事場へ。10時に出て、東中野へ。久しぶりに〈ポレポレ東中野〉。この館のカラーからは考えられないのだが、ココで特集「女優 岡田茉莉子」をやっているのだ。自伝『女優 岡田茉莉子』(文藝春秋)が並んでいたので買ったら、サイン本だった。それは嬉しかったのだが、とりあえず今日観る作品のデータを知ろうと巻末を見たら、フィルモグラフィーが載ってない。主演作が多いので、スタッフ、キャストやストーリーまでの詳しいものをつくれとは云わないにしても、出演作リストすらないのはオカシイ。本文中にも作品の年度が略されているものが多いようだし、索引もない。映画本のつくりかたはいろいろだと思うが、一人の映画監督、役者の全体像をたどる本を出す場合、しかも、他に類書がない場合には、フィルモグラフィーは必須だろう。「企画協力」の四方田犬彦はなんにも云わなかったのか? それとも、岡田茉莉子自身がリストは要らないといったのか? いい本らしいので、よけいに惜しい。


今日観たのは、中村登監督《河口》(1961)。昨日に続き、中村作品だ。冒頭の沼津のシーンで、しばらく前に観ていることに気付く。〈神保町シアター〉の中村登特集だったか。東野英治郎杉浦直樹田村高廣らを手玉に取っているように見えて、じつはどっぷり浸かっている女を岡田が好演。はらはらしながら見守る、三枚目の山村聡もいい。成瀬巳喜男監督《山の音》の枯れかけた老年とは別のヒトみたいだ。客は15人ほどだったが、そのうち2人がガサガサとしつこくビニールを開く音をたててうるさい。なんで、あれで平気なんだろう? 館を出てから、近くのラーメン屋でつけ麺。新規開店のようだが、もういちど食べたいと思う味ではなかった。


高田馬場で降りて、ビッグボックスの古書市を覗く。初日に来るのは珍しい。次回「小説検定」の資料探しが目的だが、山本薩夫『私の映画人生』(新日本出版社)500円、が買えたのは収穫。ウチに帰ると、郵便物いろいろ。『フリースタイル』最新号。ベスト3で、ぼくは、『野田と申します。』、[図書館の新世界]、『東京骨灰紀行』を選んだ。金沢から『そらあるき』も到着。


2時半に電話があり、光文社のKさんと待ち合わせ、〈花歩〉へ。出来上がった見本を手渡される。パラパラ眺めるが、大きな間違いはなさそうで一安心。依頼から長くかかったが、よくここまでたどり着けたものだと、お互いをたたえ合う。帰りに、お店の奥さんに1冊手渡す。毎年一箱古本市の大家さんになってくださっているので、せめてものお礼だ。そのあと、〈古書ほうろう〉で宮地さんに手渡す。B5判時代の『プレイガイドジャーナル』を1冊いただき、「オルタナゴヤ」を特集した『TRASH‐UP!!』第4号を買う。この表紙の中原昌也の眼がすごい。〈往来堂〉にも寄り、笈入さんに手渡し。書評用の文庫本と、佐々木譲『巡査の休日』(角川春樹事務所)を買う。


7時半に西日暮里駅で、書肆紅屋さんと待ち合わせ。〈大栄〉へ。あとから退屈男くんも合流。この二人には新書の年表部分を手伝ってもらったのだ、また、紅屋さんには再校の校正もお願いしてしまった。できあがった本を渡し、完成を祝う。いろいろ雑談していると、テレビで、整形して逃げていた市橋達也容疑者が逮捕されたニュースと、森繁久彌死去のニュースを交互にやっている。店のおばさんが、モリシゲには無反応なのに、市橋のハナシになると、やたらとコーフンしているのが面白かった。11時にお開きになり、外に出ると雨が降っている。西日暮里に戻り、旬公の仕事が一段落するまで待つ。