メジャーおじさんとミニコミ甥っこ

朝8時起き。雨が激しく降っている。西日暮里に行き、谷根千本の総目次や年表のまとめ、連載のゲラ直しなど。1時すぎに出て、小川町へ。ラーメンを食べて、H社へ。会社の前でKさんにバッタリ。昨日、同じ時間に〈神保町シアター〉にいたらしい。声をかけたけどぼくが気付かなかったとのこと。すいません。H社で貴重な資料のコピーをいただく。これは役に立ちそうだ。


東京堂書店〉で畠中さんに会い、11月の新刊について相談する。『週刊三階』の4、5号をもらう。前者はぼくが、後者は武藤良子さんが題字を書いている。『積んでは崩し』の紹介、ありがたし。内澤のイラストをうまくコラージュしている(本の山の上で踊るは「けものみち文庫」のマークだ)。お、和光大生の『キクロク』も紹介されている。石田千さんのコラムもあり。これだけオモシロイ読み物なのだから、無理して週刊にすることないのだが、「実は◎月◎日号」と本来ありうべき発行日を書いているので、そのうち取り返すつもりなのだろう。


リトルプレス棚の正面にある音楽書の新刊を見て、目を疑う。朝妻一郎『ヒットこそすべて オール・アバウト・ミュージック・ビジネス』(白夜書房)。音楽評論家からスタートして、多くのミュージシャンをプロデュースし、音楽ビジネスの大立者になったヒト。じつは旬公の叔父さん(伯父さん? どっちだっけ)である。ぼくの一族はオール職人で、世間に名前が知れている人は皆無なので、結婚してあの朝妻氏が親戚になると知って、かなり驚いた。しかし、お目にかかったのはたった一回だけ。本書は過去の文章に加えて、語り下ろし、書き下ろし、対談(大瀧詠一とも)があり、474ページというボリューム。詰め込みすぎような気もするが、スタッフを見て納得。企画が白夜書房藤脇邦夫(ザッパ本などを企画、著書に『出版幻想論』)、取材・構成がミニコミ『リズム&ペンシル』の松永良平・住田ひろ志(松永氏は『小野瀬雅生のギタリスト大喰らい』ブルースインターアクションズ、にも関与)、そしてアートディレクション小西康陽! 朝妻氏の顔写真を大きく使って、レコードジャケット風にキメている。あとで旬公に見せたら、やっぱり驚いていた。それにしても、このタイトルの臆面のなさ(思い切りのよさ)はスゴイ。マイナーな世界にいる義理の甥に聞かせてやりたい。あ、オレか。


千駄木に戻り、デザイナーIさんの事務所で、谷根千本の初校を受け取る。いろいろ調整しなければならぬ点が多い。一気に片付けるしかない。Iさんにはもう一冊、お願いしており、ほぼ同時に追い込みになりそうで申し訳ない。西日暮里に戻って、総目次の続きをやるが、1時間やると眠くてアタマが働かなくなる。データ整理はあまり長時間できない。


10月か11月に名古屋で岡崎武志さん(あ、今日〈コクテイル〉でトークだった)の『雑談王』に合わせて、「sumus祭り」をやりたいと晶文社のTさんから打診あり。同人が集まってトークするというので、久しぶりに会いたいのだが、問題はヒマと金。今週末に一箱古本市(まだまだ募集中!)で米子、来月半ばに図書館取材で福岡、末は「BookBookSendai」で仙台、11月に「ブックオカ」で福岡と、やたらいろんな場所に行くことになっているのだ。なるべく仕事がらみにしているとはいえ、どうしてもカネが出ていかざるを得ない。今月・来月はずっと金欠だ。いまからでもイイので、地方での「ついで仕事」をくれる方がいたらご連絡ください。


今日発売の『週刊現代』で、柳広司ジョーカー・ゲーム』(角川書店)の書評を書いています、柳氏の本は『漱石先生の事件簿 猫の巻』(理論社ミステリーYA!)を読んでハマり、過去の作品を3ヶ月ぐらいで一気に読んだ。同じ1967年生まれということもあって、気になる作家の一人だ。