今年も開成古本市へ

朝8時起き。雨があがって、日差しが暑い。フィルムセンターに行こうと出かけるが、千代田線から大手町で半蔵門線に乗り換えて、三越前で銀座線に乗り換え、というめんどくさいルートをとってしまう。京橋に着いて、〈INAXブックギャラリー〉を覗く。「本の本」のミニフェアをやっていた。


フィルムセンターで特集「生誕100年 川喜多かしこヨーロッパ映画の黄金時代」。この回は2本。まず、ロベール・アンリコ監督《ふくろうの河》(1961・仏)。川の上の鉄橋で処刑されんとする男がひたすらに逃げて……。30分ほどの短篇で、最後までテンションがとぎれない。叙情的な音楽もイイ。原作はアンブローズ・ビアス。もう一本は、ジャン=ピエール・メルヴィル監督《いぬ》(1962・仏)。こっちを目的に来たのだが、最初の数分で眠くなり、しばらくウトウトしてしまう。おかげで起きてからストーリーが判らず、ノレないままだった。


終わって〈八重洲ブックセンター〉に寄り、武村雅之編『天災日記 鹿島龍蔵と関東大震災』(鹿島出版会)を買う。山手線で西日暮里に帰ると、駅前は開成学園の文化祭に向かう人たちで一杯。台風が接近してるとのことで、開始時間を遅らせたようだ。2階に上がり、いつもの古本市を見る。今回はいつもより本の量が少ないかな。図書館の廃棄本で角川文庫が大量に出ていたので、10冊ほど買う。一冊30円なり。焼きそばを買って、仕事場で食べる。谷根千本の年表を整理し、『進学レーダー』の書評原稿を書く。そのあと〈ときわ食堂〉へ。


東京新聞の夕刊に「漫画『イキガミ』が星作品と類似 次女サイトで指摘」という記事が。『ヤングサンデー』休刊後に『スピリッツ』に移ったマンガだが、これが、星新一の「生活維持省」に類似していると、次女の星マリナが公式サイトで書いているというのだ。星新一の公式サイトができていたこと自体にびっくり。サイト(http://www.hoshishinichi.com/)には、期間限定で「生活維持省」の本文が公開されている。そこで比較されている概要だけだと、そこまで似てるかなあという印象だが。まあ、すっかりこの作品のことを忘れていたので、なんとも云えない。もしこの先報道が続くのであれば、ぜひ栗原裕一郎さんに検証していただきたいところ。でも、このまま幕引きになる気配だ。


秋も一箱古本市に合わせて、両親が出雲から上京することになり、宿を手配しなければならない(ウチには泊まれない)ので、谷中や本郷の旅館に当たってみるが、どこもすでに予約で満室。やっぱり人気あるんだなあ。しかたなく日暮里のビジネスホテルを予約。駅から近いのが取り柄か。