アクセスをめぐって

昨日、内澤旬子の手術があり、無事終了しました。3時間ぐらいかかると聞かされていたけど、2時間ほどで先生に呼ばれ、麻酔が覚めるまで30分ほど待って出てきました。退院は来週頭になる模様です。よかった、よかった。


それやこれやで、日記を書く気になれずにおります。書かないと、会った人から「最近どうしてるんですか?」と訊いてもらえて、なんだかトクな気分。いつも大体ぜんぶ報告してるからなあ。


『東京人』の特集「神田神保町の歩き方 2008年版」が届く。ぼくは「「書肆アクセス」という豆宇宙」を4ページで書いた。何度も書き直したものなので、岡崎武志さんにホメてもらえて嬉しい。またこの記事と特集扉のアクセスの写真は、中里和人さんが撮影したもの。とくに特集扉の見開き写真は、入り口から足を踏み入れたときに目の当たりにした光景そのものなので、今後何度も見返すことになるだろう。今回の神保町特集は「なくなったもの、生まれたもの」。これまでの同特集に比べると派手さはないが、テーマの立て方が具体的で読みごたえがある。十数人へのアンケートがあるが、「この十年、なくなったものは?」という設問への松浦弥太郎の回答には笑う。「町を生きている人間にたとえてみれば、なくなったとか、どうなったかを論ずることは、いかにおろかであるかがわかります。それは生きている証拠ですから」。はあ、そうですか。じゃあ、回答しなきゃイイのに。


その伝でいけば、『書肆アクセスという本屋があった』は、まさに「なくなった」店について一冊つくってしまった、弥太郎氏から見たら「おろかな」本かもしれない。ただ、なくなったものがすぐに忘れ去られてしまうことを思うと、いまの時点で、この店についての記録をまとめておきたかったのだ。本書は明日取次搬入。〈三省堂書店〉神保町本店の4階、地方出版物コーナーで先行発売しているが、こないだ行ったら残り3冊になっていた。執筆者・募金者には今日か明日、右文書院から発送する模様です。リスト整備が遅れて、発送が遅れたことをお詫びします。関係者なのに来週になっても着いてないという方は、南陀楼までご一報を。


アクセス関連でもう一つ。今週土曜日に海文堂で畠中さん、近代さんのトークがあります。『書肆アクセスという本屋があった』の販売もあります。

畠中理恵子さん×近代ナリコさん トーク


2007年12月8日(土) 15時〜17時
海文堂書店・2F  <Sea Space> (ギャラリースペース)
進行:林哲夫さん
入場料:500円


 本の世界を「女の子」のキーワードで変えた近代ナリコさんと神田神保町の良心・畠中理恵子さんに、読書・出版、そして<書肆アクセス>閉店までを本音で語り合っていただきます!
 近代さんと林さんは京都から(深謝!)、畠中さんは東京から(深謝、再び!)、神戸に駆け付けてくださいます。畠中さんは、11月17日の<書肆アクセス>閉店後はじめてのイベントご参加になります。
 会場では、12月上旬刊行の『書肆アクセスという本屋があった ― 神保町すずらん通り1976-2007』(岡崎武志柴田信安倍甲 編/『書肆アクセスの本』をつくる会 発行/右文書院 発売/林哲夫 装幀/税込1,200円)を販売いたします。もちろん、近代さん・畠中さん・林さんの本や雑誌も販売いたします。
 たくさんのみなさんのご参加をお待ちしております。


あと、『yom yom』第5号の「小説検定」は、いつもと趣向を変えて、「新潮文庫」がお題です。また『すばる』1月号で、「名作リパッケージ現象」という小特集があり、そこに、最近の復刊について書いています。どちらも締め切りを大幅に遅れ、迷惑をおかけしました。後者のUさんからは、「まだ入ってないのは小説家の◎◎さんと☆☆さんだけですよ」と超大物の名前を挙げて催促されました。ごめんなさい。


ところでさっき、S社から荷物が届き、重いのでなんだろうと思ったらお歳暮だった。中身は蜂蜜だった。旬公と結婚した頃、彼女がそれほど仕事をしてない出版社からもお歳暮が届くのを見てスゲエなあ(余裕あるなあ)と思ったが、その後、お歳暮名簿が更新されたらしく一切来なくなった。ぼくが雑誌で仕事することが増えたのはこの3、4年だが、何の売り上げにも貢献していないからか、そもそもお歳暮じたいが廃止されたからか、いちども頂いたことはない。なので、今回のが出版社からいただく最初のお歳暮となる(最後のにならなければイイけど)。ありがたく食べさせてもらおう。