〈宝亭〉の消えた五反田西口

8時半起き。さっさと準備して、とっとと出る。久しぶりに朝イチで国会図書館へ。今日は『サンパン』の聞き書きの資料チェック。3時間ほどかけて、『問題小説』を創刊号からざっと見る。小沢さんの犯罪ルポはおおかた、単行本にまとまっているが、こうして初出誌を眺めてはじめて判るコトも多い。国会所蔵の同誌1971年10月号は、表紙がたしかに10月号なのに中身は1970年8月号という不思議。表紙に「束見本」とマジック書きされているのもよくワカラン。


12時半に出て、半蔵門線で神保町へ。右文書院に行き、『路上派遊書日記』の直販分にサインを入れる。100冊終えるのに2時間かかった。また半蔵門線で、今度は渋谷へ。〈ロゴスギャラリー〉で「印刷解体 vol.3」を見る。これまでの総まとめ的な展示だった。日月堂の佐藤さんと立ち話。〈リブロ〉で『en-taxi』の新しい号と、小田扉団地ともお』第8巻(小学館)を買う。


山手線で五反田へ。久しぶり、じつに一年近くぶりの五反田の古書展だ。とくに理由はなかったのだが、なんとなく足が遠のいていた。初日だがもう夕方なので、ヒトは少なめ。どっかで見たヒトがいると思ったら、さっき別れたばかりの青柳さんじゃないですか。1階で、日本エディタースクール編『本と人と 保存版』(日本エディタースクール出版部)500円を。雑誌『EDITOR』(のち『月刊エディター・本と批評』)の巻頭随筆欄をまとめたもの。274人が並ぶ目次は壮観。編集者をはじめ出版関係者が多く登場しており、役に立ちそう。2階に上がるも、とくにナニも見つからず。


せっかく来たのだからと、西口に出てみる。以前よく行った〈宝亭〉というラーメン屋が、数年前に再開発のために閉店していた。その後どうなったかと思っていたのだ。行ってみると、新しい建物が建っていたが、飲み屋が並ぶ小路はちゃんとあった。しかし、〈宝亭〉は見当たらず。ちょっと離れたトコロに移ったのかと、周りを歩いてみるが、やっぱりナイ。あとで検索したら、なんと、板橋区の常盤台に移って〈五反田宝亭〉として営業しているようだ。板橋は遠い……。


ウチに帰ると7時前。今日は一日出かけていたので、あれこれ雑用が溜まっている。『ぐるり』最新号が届く。『酒とつまみ』大竹聡さんがホッピーマラソンのことを書いている。南陀楼の連載は、ロンサム・ストリングス。『路上派遊書日記』や「秋も一箱古本市」の情報も掲載。〈月の輪書林〉から、『白岩瞳・高橋靖往復書簡集』を送っていただく。七月に亡くなった高橋さんのお母さんが、結婚前にお父さんと交わした書簡をまとめた小冊子。月の輪さんからは、さっそく『路上派遊書日記』の誤植の指摘あり。高橋さんの「高」が「はしご高」になってないことと、「李奉昌」が「李泰昌」となっていること。しまったー。旬公の『センセイの書斎』ではこの二つを校正で直したのだが、今回は気づかずにスルーしてしまった。すいません。増刷がかかれば直します。


晩飯はひき肉と卵のそぼろ炒め。旬公に散髪してもらい、明後日の「古本ジェットストリーム」で掛ける曲を選んでいたら、1時になった。小谷野敦谷崎潤一郎伝 堂々たる人生』(中央公論新社)がオモシロくて、一日で半分近く読んだ。