久しぶりに古書展をハシゴ

朝9時起き。旬公と一緒に、高円寺の古書会館へ。今日は「高円寺展」。旬公はココに参加している〈名雲書店〉がお気に入りで、安い和本を買いあさっている。けっこうまとめて買うので、「名雲まつり」と自称しておられる。ぼくのほうは会場を一回りして、鴨居羊子『のら犬のボケ』(東京創元社)500円、正津勉編集『東京詩集Ⅲ』(作品社)300円、『ハマ野毛』第5号、200円、大場定『浅草よいとこ』(私家版)300円など、安いものを見つける。


『のら犬のボケ』は函つきでこの値段ならまあまあ(あとで見たら、見返しにマジックで落書きがしてあったが)。『東京詩集Ⅲ』は、東京に関する詩を集成したもので、この巻は1945〜86年を対象としている。それぞれの詩には著者略歴と関連する詩やエッセイを付し、巻末には冨田均のエッセイと、同じく冨田編の「東京編年史+書誌」を収める。丁寧な編集ぶりだ。オビには、「都市詩集」シリーズ全10巻として、佐々木幹郎編集『大阪詩集』、松本健一編集『上海詩集』、荒川洋治編集『ソウル詩集』などが予告されているが、国会図書館のデータベースでは、『東京詩集』全3巻しかヒットしない。刊行されなかったのか。


会場で、金澤文圃閣の田川浩之さんを見つけ、声をかける。久しぶりだ。岡崎武志さんと会い、旬公と三人で〈ナジャ〉へ。岡崎さん、完全フリーランスの生活をはじめたばかりのぼくをいろいろと気遣ってくださる。ありがたし。高円寺の駅で旬公と別れ、三鷹へ。〈上々堂〉で先月の売り上げを受け取る。7月の「銀座ブックバザール」の残りをこっちにまわしたら、けっこう売れていた。海野弘『四都市物語 ヨーロッパ・1920年代』(冬樹社)1000円を買う。コモリさんから、12月に上々堂の3周年イベントをやると聞く。北尾トロさんのイベントや、翻訳家・池田香代子さんの本棚、加藤千晶さんのライブ、それに加藤さんと岡崎さんのトークがある模様。あの空間でどういう感じのイベントになるか、楽しみ。


三鷹から東西線高田馬場へ。BIG BOX古書市を覗いていると、セドローくん登場。上の喫茶コーナーへ。『路上派遊書日記』のカバー案や索引を見せる。オビのラフに、コピーのダミーとして「あああああ/いいいいい/ううううう/えええええ/おおおおお/あああいいいいうう」などと書いてあったのを見て、「コレでいいじゃないですか、このまま出してくださいよ!」と。セドローくんの未来社からの本も順調に進んでいるようで、10月1日の早稲田青空古本祭の会場では、2冊が並ぶコトになりそうだ。注をお願いしたにもかかわらず、刊行が遅れに遅れたため、エンテツ先生(http://enmeshi.way-nifty.com/meshi/)には、「著者の日ごろが、こういうときにあらわれるのだろうなあ、やはり、『酒とつまみ』並に遅れている」と書かれてしまったが、ようやくどうにか。


じつに久しぶりに古書展をハシゴしたら、ちょっと疲れた。ウチに帰り、ちょっとヨコになる。塩山芳明さんより『AMENITY』第24号(拡声器騒音を考える会)が届く。冒頭の「都市環境と音」という座談会のみ読むが、中島義道をはじめとする出席者のヨーロッパ崇拝ぶりにへきえきする。そんなにフランスやイタリアが好きなのか。座談会の末尾に「このあと宴会となりました」とあり、表3にそのときの写真が載っているが、中島義道のへべれけな表情に大笑い。さすがに、感受性の強い方は写真映りもステキです。