酔っ払いの企画会議

もう寝ようかな、と思って、メールを見たら、「本のメルマガ」の締め切り連絡が。新刊書店で買った本を報告する連載で、本のリストは毎日つけているが、ときどき付け忘れがあったりして、チェックに時間が掛かる。最初のうちは、新刊書店ごとの特徴を観察して書くようにしていたが、最近はあまり細かいことまで書けなくなった。微妙な違いについて書いたからといって、それがどうした、という徒労感があるからだ。その点、古本屋というのは一軒ずつハッキリ違いが見えるから、いろいろ書きたくなるんだよなあ。


仕事場に行って、次号特集のアンケート依頼の手紙を発送する。夕方出て、池尻大橋へ。渋谷側に3、4分歩くと、〈いかるが〉という小さな本屋(つぶれそうな一軒家)が見えてきた。ここが、あの北冬書房高野慎三さんが営む店であり、北冬書房の仕事場でもある。ナカに入ると、店の奥の机に高野さんが座っている。クールなインテリ美男子という感じの方(韓国のデザイナー、チョン・ビョンキュ氏にそっくり)だった。北冬書房発行の鈴木清順のエッセイ集を三冊と秋山清の夢二についての本を買う。いろいろ聞きたいことはあったのだが、緊張してあまり話せず、早々に店を出る。


そのあと、三宿まで歩き、〈古書いとう〉→〈江口書店〉→〈山陽書店〉の「ゴールデントライアングル」(命名河内紀)を覗く。江口のおばさんと立ち話。バスで渋谷まで出る(道玄坂上を通るこのルートは、道に変化があって乗っていると面白い)。〈古書サンエー〉とその上の〈フライング・ブックス〉もいちおう寄ったけど、買いたくなる本が見つからない。どうも相性が悪いようだ。駅に行こうと〈細雪〉のヨコを通ったら、すでに開いていたので、初めて入ってみる。ビールと腸詰、シューマイ。腸詰もシューマイもしっかり身が詰まっている。ウマイ! 本を読みながら30分ほど過し、勘定したときに、出口に「本や雑誌は読まないでください」と紙が貼ってあるのに気づく。長居されるのがイヤということなのか? 


ほろ酔いで高田馬場で降り、BIG BOXの古書市を。酔ってると気分が大きくなり、なんでも買いそうになるが、自制して一冊だけ。アキヒロくんがいた。携帯を忘れたので、公衆電話から古書現世に電話して、目録作成中のセドローくんを呼び出す。〈芳林堂書店〉で待ち合わせして、地下の〈紫蘇の実〉へ。最初客がいなかったが、後からどんどん入ってくる。はじめは古本関係のバカ話をしていたが、途中から「BOOKMANの会」を来年どうするかというハナシになり、いきなり雑誌を出そうということに。各自3000円分担すれば、500部ぐらいの冊子ができるのではないか。以前は各自がエッセイを寄稿するような雑誌を考えていたが、それじゃ、先行の書物雑誌に対抗できないので、いっそ各メンバーを特集するコトに。創刊号は荻原魚雷特集だ! 32ページで24ページが特集、8ページが単発原稿。各号ごとに編集長を変えることにして、魚雷特集はやっぱり◎くんしかないね、エンテツ特集はこんな風に、意外に売れるのは藤田晋也特集かもなどと、そこにいないヤツの話で盛り上がる。最初は冗談で話してたけど、みんなが賛同すればホントにやるかもしれない。いつの間にか「はてな」のキーワードにもなっていたコトだし……。


楽しく飲んで、セドローくんと別れて西日暮里駅に着いたのが11時過ぎ。駅前で旬公とばったり。彼女も取材のあと、飲んでいたという。『タモリ倶楽部』見たり、片づけしたりしてから寝る。


【今日の郵便物】
★古書目録 騎士亭文庫、夢の絵本堂、本の散歩展