ラジオの夜

午前中、今日配布する資料をつくる。河内紀さんと鈴木清順さんのプロフィールをまとめ、あとは河内さんからお借りした写真などの図版を縮小して貼り込む。相変わらずローテク手作業である。溜まっていた本を〈古書ほうろう〉に売りにいき、最近出来たイタリア料理屋でパスタを食べて、ウチに戻る。そのあと、今日のハナシのために、河内さんや鈴木さんの本を読み返し、付箋を貼る。


4時頃から出かける準備をして、5時前に出発。こういうイベントの直前はいつも胃が痛くなってくるのだが、今日は大丈夫そう。古書会館に着き、地下の会場へ。古書展「アンダーグラウンド・ブック・カフェ」が開催中。三回目とあって、展示の配置もずいぶん手慣れてきた。知り合いの顔もチラホラ。河内さんと音響担当の吉田さんが来て、サウンド、マイクチェック。そのあと、物販の手配をやっていたら、鈴木清順さん到着。8階の応接室に入られたので、ぼくもあとから行き、ご挨拶。先日買ったばかりの『花地獄』(北冬書房)にサインを頂く。


下に降りると、おお、カフェコーナーにたくさんのヒトが。会場中央を片付け、椅子を並べはじめている。こちらは、吉田さんともう一度マイクテスト。7時前には客入れ開始。たちまち100席近くが埋まる。音を聴く会ということで、客席の電気を落としてもらったので、あまり緊張せずにすんだ。


10分過ぎぐらいに「実況生中継 ラジオの学校」開始。まず、ぼくのしどろもどろの挨拶から。早々に一本目を掛ける。先日亡くなった詩人の木島始さんの原作・脚色によるラジオドラマ『夜の呪文』。15分と長いが、みんな聞き入っている。これで導入部はOK。次に、『ことばの交差点』より、津軽のことばと野坂昭如さんのことばを聴く。野坂はこのとき37歳だという。ぼくも同じ37歳だけど、ずいぶん違うよなー。この会場の音響設備はかなり良く、セリフも効果音もとても迫力がある。『ことばの交差点』のイントロは先日のほうろうでのイベントでも聴いたけど、「カーン」という打撃音がクリアに聞こえた。


8時15分頃、前半終了。10分間の休憩を挟んで、後半へ。鈴木清順さんにご登場いただく。マイクが2本から3本になったせいか、急にハウリングを起こしてしまう。パニック。しばらく一本でやっていたが、TBSの方が前に来てマイクテストをやってくださり、コトなきを得る。『ヤング・パンチ・シリーズ』より、オクラになった第一作目と、「ラジオ武士道 葉隠」を聴く。清順さんは、質問に対してトボけたことをおっしゃるが、それがウケにウケる。ぼくは初めてお会いするので、なかなか話を持っていきにくく、後半は河内さんに任せっきりだった。9時20分頃、どうやらラストに持ち込めた。


河内さん、吉田さんと会場を出る。吉田さんは近々手術だというのにこの場に駆けつけてくれた。感謝して別れる。前を歩いていた、エンテツさんたちに追いつく。明日も早くから仕事だという河内さんと別れて、〈さくら水産〉へ。エンテツ、畠中、濱田、「谷根千」の山崎というメンバーで飲む。人前でしゃべったあとは、いつも反省やら自己嫌悪やらで落ち込むのだが、気楽なメンバーと飲んでいるうちに、まあ良かったんじゃないかという気持ちになってきた。しかし、体に疲れが出てたみたいで、ウチに帰るなり、布団を引いて横になる。


最後にお詫び。ホントは「モクローくん通信」最新号を会場配布するつもりだったが、手が付かず。期待していた方、すいません。19日の八木福次郎さんのトークのときにはナンとかと思ってますが、もはや自分で自分が信じられず、もし並んでいたら儲け物、という程度で待っていてください。