味噌煮込みうどんとテルミンと電子音楽

kawasusu2006-09-03

8時半起き。朝が涼しくなって気持ちいい。『週刊読書人』で書評を書く本を読む。おもしろい。同じ著者の前著もワリとすぐに見つかったので、それも読む。昼はトマトソースとツナのパスタ。「秋も一箱古本市」のナカムラさんよりメールがあり、出店場所として打診していたところのOKが出たという。コレで3カ所での開催が決定。よかったよかった。近いウチに発表されるでしょう。


【追記】この日記をアップ直後に、開催場所が発表されてました(http://d.hatena.ne.jp/seishubu/)。(1)イマーゴ(千駄木)、(2)ライオンズ・マンション(三崎坂)、(3)宗善寺(三浦坂)です。イマーゴは古書ほうろう前のカフェ、ライオンズ・マンションは1階の集会室の縁側とベンチをお借りします。宗善寺は〈大名時計博物館〉隣のお寺です。春とはちょっと変わったカンジになりそう。


4時ごろ、谷中コミュニティセンターの図書館へ。閲覧席で資料を読んでいたら、5時10分前に音楽が鳴り始める。荒井由美の「卒業写真」をインストにしたもので、ものすごく大きいし耳障り。5時閉館なのは判っているから、パチンコ店の閉店並みのこんな音を流さないでほしい。〈往来堂書店〉のあと、〈古書ほうろう〉へ。先日の味噌煮込みうどんの件(http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20060828)で、名古屋出身の宮地健太郎さんより、「南陀楼さんが以前食べた〈山本屋〉は、今回食べた〈山本屋総本家〉(http://www.yamamotoya.co.jp/)とは別の店なのでは?」というご指摘が。別に〈山本屋本店〉(http://www.yamamotoyahonten.co.jp/yamamotoya.html)というのがあり、お互い本家争いしてるのだそうだ。両方のサイトを見ると、どちらにも「紛らわしい店名にご注意ください」と出ていた。道理で「総本家」なんてヘンな名前を付けるとなあと思った。以前書いたように(http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20050828)、大阪の〈自由軒〉でも同じようなコトがある。ちなみに、旬公は「ウチが離婚したら、〈モクローくん〉の権利はアタシが持っていく」と宣言している。本家モクローくんと元祖モクローくんに別れて争うか?


生協で買い物して帰る。玉ねぎが大量に余っているので、晩飯はハヤシライスをつくる。先日サンプル版が送られてきた、竹内正実[VOCALISE]を聴く。竹内氏のテルミン+ピアノの伴奏によるクラシック小品集。フォーレの二曲(「ラシーヌの雅歌」と「夢のあとに」)が気に入った。【図版はCDのジャケット】一緒に送られてきた[Times slips away]は、[訪れざりし未来 Compositions for theremin]というタイトルで出ていたファーストCD(ぼくも買っている)をリミックスしたもの。こちらもイイです。どちらも、「bootrecord」(http://bootrecord.net/)で通販可能。竹内氏の『テルミン エーテル音楽と20世紀ロシアを生きた男』(岳陽舎)は名著で、映画《テルミン》(1993)の日本公開の前後に読んでいる。竹内さんのサイト(http://www.mandarinelectron.com/theremin/)を見ると、ぼくと同じ1967年生まれとのこと。いずれコンサートも聴いてみたい。


テルミンを聴いたついでに、というわけでもないが、川崎弘二『日本の電子音楽』(愛育社)を読み始める。先日書店で見かけたコトを書いたら、かたじけなくも、著者から寄贈を受けたのだ。ぜんぶで636ページ、本文のほか、資料として「日本の電子音楽主要作品」「主要ディスク」「主要文献」、そして索引が付いている。佐々木暁の造本、表紙に使われた小杉武久のドローイングもいい。この大著をきちんと読みこなす自信はないが、読んでみて気づいたことをココで書いていくつもり。今日読んだのは、第一章「日本の電子音楽」と、第二章のうち、水野修孝インタビュー。水野氏が東京芸大在学中に結成した「グループ・音楽」について、メンバーだった刀根康尚について、以下の記述がある。

刀根は千葉大では国文科にいて卒論のためにシュルレアリスムの研究をしていたんです。(略)彼の家は芸大のすぐそばの浅草だったので、夕方になるとかならずやって来て、卒業するまでほとんど毎日のように来ていました。だから、刀根は芸大生だとほかの科の連中は思っていたみたいで、もぐりの学生だとは思われていなかった(笑)。


刀根は音楽的な訓練はまったく受けていない人間なんだけれどサックスを持っていて、サックスを滅茶苦茶に吹きならしたりしていました。彼にはオピニオン・リーダー的なところがあって、彼の影響で集団的無意識なんていうことを意識しはじめるようになっていったんです。


そのあと、刀根康尚読売アンデパンダン展、ネオダダ・オルガナイザーなどの前衛芸術に関わるようになっていく。その辺の活動ぶりは、赤瀬川原平『いまやアクションあるのみ! 読売アンデパンダンという現象』(筑摩書房)に詳しいが、残念、いまは出てこない。なお、刀根には『現代芸術の位相』(田畑書店)という評論集があり、いつか入手したいと思っている。

日本の電子音楽

日本の電子音楽