祝日に飲める店

今日も早起きしてみる。8時半。しかし、雑用してるうちに時間が過ぎ、仕事に取り掛かったのは10時過ぎ。12時までに原稿一本書く。ひどく勤勉な気がするが、そもそも締め切りはとっくに過ぎてるのであった。BGMは先週〈ディスク・ユニオン〉で買った、上野耕路アンサンブル[ポリスタイル]。最近、ビッグバンド形式に凝っている。続けて明田川荘之西荻センチメンタル・オーケストラ(だったかな)の[わっぺ]を。これもビッグバンド。

昼飯は一人なので、かけ飯でいこう。エンテツ本に、豆腐、生タマゴ、納豆をかき混ぜて醤油で味付けしたものを飯にかけるものが紹介されている。通称「ゲロ飯」という実に風流な名前だ。冷蔵庫を見たら、豆腐と生卵はあったが納豆はナシ。なくても別に構わない。海苔とかつをぶしとミョーガを投入して、わしわし混ぜて飯にかける。ついでに、松田さんからいただいた京都の漬物も乗せてみる。……あまりのウマさにカンゲキ。余勢を駆って、漬物でお茶漬けまで食べてしまう。そのあと、寝転んで、いましろたかし『釣れんボーイ』(エンターブレイン)を読む。四回目か。いつでも脱力の世界に誘ってくれる。


せっかくの連休の最終日、どこかで飯でも食おうと旬公と約束していたが、ぼくの行きたい店はどこも祝日休み。こういうときは、エンテツ頼みだ、とメールしたら、すぐ「ぜひ飲みましょう」というお返事。赤羽なら何とかなるでしょうと、待ち合わせることに。旬公に電話すると、知らないおじさんがでた。「この電話、電車のなかに落ちていたんですよ。いま、東京駅で預かってます」という。どうやったら、携帯電話だけ忘れてしまうのか。


旬公が帰ってきたので、携帯のコトを云う。そのあと、一緒に谷中に出て小沢信男さんのお宅に寄って資料を返し(『新日本文学』の最新号をいただく)、仕事部屋の空気を入れ替え、谷中商店街で下駄屋に寄って、ウチに帰る。そして5時に出て、東京駅ホームで携帯電話を受け取り、また引き返して赤羽へ。改札口で遠藤さんと待ち合わせ。


祝日だというのに〈まるますや〉が空いていた。満員だが、ちょうど三人座れる。ビールにレモンハイ。エンテツさんは明日から秩父に行くとか。涼しいだろうなあ。旬公は里芋のからあげに感動していた。ぼくは豆腐に揚げ玉、胡瓜、わかめが入った「たぬき豆腐」が旨かった。初めてココでうな丼を食べる。遠藤さんはほとんど食べず、二人で欠食児童のように食べてしまった。


旬公帰り、二人で〈まるよし〉へ。酒と焼酎ロック。入ったときには満員だったが、飲むうちに人が減っていく。どうでもいいことをいろいろ話す。9時に解散して西日暮里に帰る。いつもこれぐらいの時間に帰れるとイイなあ。


【今日のしおりページ】
長谷川郁夫『われ発見せり 書肆ユリイカ伊達得夫』書肆山田、1992年
部屋の整理中に見つけた本。しょっぱなから、ページの隅を折りまくる。いま、読んでよかったなあ。
145ページ
ユリイカ版「二十歳のエチュード」ができたころ、「世代」は二度の休刊中だった。かれらは二十四年の秋に追いだされるまで、目黒書店ビルの編集室にたむろするか、神保町の「らんぼお」に入りびたっていた。
 「らんぼお」には、のちに武田泰淳と結婚する鈴木百合子さんという若い女性がいて、彼女は「世代」のグループの熱心なシンパだった。(略)いいだ・ももや矢牧一宏らは、美しいウェイトレスの用心棒をかってでた、という。「らんぼお」はかれらの第二の編集会議室だった」
 云うまでもないが、「鈴木百合子」は武田百合子のことである。矢牧一宏のことは、今年出た、大島幹雄虚業成れり 「呼び屋」神彰の生涯』(岩波書店)に出てくるし、「彷書月刊」サイトの七痴庵日記7月8日の項にも出てくる。
http://www3.tky.3web.ne.jp/~honnoumi/